記事一覧 | 2022.11.26

脳にたまっていく眠気の正体とは

朝から生活を整えてきたら、夜はぐっすり眠るための総仕上げの時間です。何気ないふだんの生活習慣が、実は睡眠の質を低下させているということも少なくありません。まずは自分の生活と照らし合わせてみてください。そしてひとつでもよいので改善してみると体調も変わって続けやすくなっていくはずです。

 

脳にたまっていく眠気の正体とは

 

眠くなるためには、ふたつの要素が重要になります。
ひとつは起きている時間の長さ。

 

起きている間に空の容器に水がたまっていくように眠気がたまっていき、ぐっすり眠るとその眠気が解消されてまた空に戻るというイメージです。つまり、ある程度の時間起きていないと眠くはならず、そして、しっかり眠らないと眠気が残るということです。

 

一見当たり前のことのようですが、実はなぜそうなのかというメカニズムははっきりとわかっていません。しかし、最近になり脳内にあるスニップスというたんぱく質が、起きている間中リン酸化(化学変化)していき、眠ると解消されることがわかってきました。スニップスは神経細胞の間で信号を伝えるシナプスに集中しているため、スニップスが化学変化することで脳というコンピュターが機能低下して眠気を起こしているのではないかと考えられています。

 

いずれにしても、睡眠と睡眠のインターバルは大切なので、長く昼寝をしてしまうのは避けなければいけません。

 

 

体内時計は午後9時を過ぎるとお休みモードに

 

もうひとつの要素は体内時計です。

 

時間に合わせて体を最適化している体内時計は、先に照会したインターバルによる眠気の蓄積とは別に眠気を促しています。

 

正常に体内時計が作動している場合、覚醒モードは夜9時ごろにピークを迎え、それを過ぎると徐々に眠くなっていきます。

 

また、眠気を起こすにはメラトニンというホルモンの分泌が重要となりますが、メラトニンは起床して朝の光を浴びてから14~16時間程度で分泌され始めます。つまり、起床後一定時間起きているというインターバル的要素も、朝の光を浴びて体を整えるという体内時計の要素もあわせもっているといえます。
このようにふたつの要素を考えると、朝7時ごろに起きれば体内時計の覚醒モードがピークを過ぎた頃にメラトニンが分泌され始め、眠りのインターバルも十分に空いて自然な眠りにつけるといえるでしょう

 

 

強い光は眠りのホルモンをじゃまする

 

メラトニンは朝、光を浴びると分泌が止まるとご紹介しましたが、それは朝に限りません。夜でも強い光を浴びるとメラトニンの分泌が抑えられてしまうので注意しましょう。特にブルーライトは体内時計に作用して、メラトニンの分泌を抑えてしまいます。部屋の照明を蛍光灯やLEDにしている人は、夜のリラックスタイムは白熱灯の間接照明に切り替えるなどの工夫を。

 

もちろんテレビやパソコン、スマホなども夜は控えめにするのがおすすめです。ブルーライトは近くで見るほど浴びる量が多くなるので、目との距離が近くなるスマホは特に控えましょう。スマホを目覚ましに使っている人は、夜中目が覚めた時にスマホで時間を確かめるかもしれませんが、そんな一瞬の光でもメラトニンの分泌に影響するので注意。

 

また、ブルーライト以外にも強く激しい音楽や、怖くてドキドキするような映画などは自律神経を興奮させて眠気を遠ざけてしまいます。

 

つまり温かみのある間接照明など灯した暗めの部屋で、ゆったりとした音楽や自然音などを聞いて過ごすのが理想的だといえます。川のせせらぎなどの自然の音を聴いていると脳からα波がでて眠りやすくなるという報告もあります。

 

 

お風呂は眠る1~2時間目にゆったり入る

 

眠る時、人は体温を下げていきます。赤ちゃんが眠い時に手が熱くなるのは、手から体温を逃しているからで、大人でも赤ちゃんほどわかりやすくはありませんが同じことが起こっています。

 

そのため、眠る1~2時間ほど前に入浴をしてよく温まっておくと、体が冷めていくタイミングと眠りのタイミングが合って、スムーズに眠りにつけるようになります。

 

大切なのは深部体温を高めることなので、ぬるめのお湯で10~15分ほどゆっくりつかるようにしましょう。
熱いお湯にさっとつかる程度だと表面温度しか上がりません。また、熱い、冷たいといった刺激は交感神経を興奮モードにしてしまうので、そういった意味でも眠りづらくなってしまいます。

 

深部体温と眠りのリズムがズレてしまうと、朝起きても眠かったり、必要以上に早く起きてしまうといったトラブルが起こってしまいます。お風呂に入るのが遅くなった時などは、頭を冷やすと深部体温が下がりやすいという報告もあるのでアイス枕を使ってみるといったことを試してみるのもよいでしょう。

 

 

ぐっすり眠るためには夕食は早めに食べる

 

食事をすると眠くなりますが、それは消化を行うために自律神経がリラックスモードになるため。つまり、寝つきもよくなりそうな気もしますが、眠る直前の食事はよくありません。眠っている間に疲労回復や体の修復を行いたいのに、消化にエネルギーが使われてしまうからです。

食事は眠る3時間前にはすませておくようにしましょう。仕事の関係で遅くなってしまうという人も、夕方におにぎりなど簡単に食べられるものを食べておき、帰宅後の食事は鍋やスープなどあっさりしたものにするといった工夫を。

また、お酒を飲むと寝つきはよくなるかもしれませんが、眠り自体は浅くなります。寝酒は習慣にしないようにしましょう。

 

 

ヨガや軽いストレッチで筋肉をゆるめる

 

夜、運動をする場合、激しくない有酸素運動程度にしておきましょう。ヨガや軽いストレッチなどであれば緊張した筋肉が緩んで眠りやすくなります。筋肉がやわらかくなっている湯上りに行うのがおすすめです。ウォーキングする場合も息がきれるほど早く歩かず、散歩感覚で。外の空気に当たるというのは自律神経にもよい影響があります。

 

激しい無酸素運動やランニングといった強めの運動は自律神経を興奮モードにしてしまうので寝る直前は避けたほうがよいでしょう。

 

朝であればきつめの運動をすることで自律神経を切り替え活動しやすい状態にすることができますが、目覚めてすぐは筋肉がかたまっていてケガをしやすいので準備運動を忘れないようにしてください。

 

次回はぐっすり眠るための寝室の環境についてご紹介します。