記事一覧 | 2022.12.01

寝具は寝返りをしやすいかどうかで選ぶ

朝はたっぷりと日差しを浴び、夜になったら部屋を暗くしてゆっくり過ごすなど、体内時計を整えながら眠りに備えたら、あとはぐっすり眠るだけ。とはいえ寝具や寝室環境も眠りに大きく影響します。質の高い睡眠を得るために、そういった要素にも目を向けてみましょう。

 

寝具は寝返りをしやすいかどうかで選ぶ

 

寝具は“寝返りが打ちやすい”というのが大きなポイントです。
敷布団は柔らかすぎると体が沈み込んで寝返りが打ちづらく、硬すぎると血流が悪くなり体が痛くなって眠りが浅くなります。「適度に硬いもの」というと基準が曖昧で難しいですが、寝返りを重視している敷布団やマットが増えていますのでそういったものを利用するのもおすすめです。

掛け布団でも、昔ながらの重い綿布団だと体が抑え込まれて寝返りがしにくくなります。

寝返りには枕も大きく影響します。枕が高いと寝返りが打ちにくいだけでなく、筋肉が緊張して肩こりや頭痛を起こしたり、首が圧迫されて睡眠時無呼吸症候群を起こしたりといった不調につながることがあります。
理想的な高さは人それぞれ異なりますが、首から頭がまっすぐになるのが基本で、うつむくように首と頭に角度がついているようなら高過ぎます。
今使っている枕が高いようであれば、バスタオルを丸めたり重ねたりして丁度よい高さにして代用することも可能です。また、枕を合わせてくれるショップも増えているので、購入する時はフィッティングしてみるとよいでしょう。

 

 

真っ暗にするよりも、ほのかに明るいぐらいに

 

ぐっすり深く眠るために、寝室全体にも目を向けてみましょう。
一般的に真っ暗にするよりも、薄暗い程度のほうが睡眠に適していると言われています。真っ暗にすると感覚が遮断される分、脳が過敏になりしっかり休まらないというのが理由です。明るさの目安は“障子越しに見る月明り”程度。

とはいえ、豆電球程度の灯りでも頭上に明かりがあると、光を感じてしまい脳が休まりません。ですから、足元にほのかに灯るような間接照明をつけておくというのがおすすめです。

 

 

賢い温度調整が寝つきのよさにつながる

 

暑さ、寒さも眠りに大きく影響します。

暑くてもエアコンが苦手だという人は、寝る前にしっかり冷やしておいてエアコンを切ってから眠るのがおすすめです。
それでは暑いという場合は、3時間タイマーにしておくとぐっすり眠ってからエコアンが切れるため、エアコンが切れても目が覚めにくいといわれています。
ただし、温暖化により明け方まで暑いという日も多いので、熱中症予防のために朝までエアコンをかけておいたほうがよい場合もあります。

寒さ、冷たさの刺激も自律神経を興奮モードにして、寝つきを悪くしてしまいます。
あらかじめ湯たんぽを入れておくとか、電気毛布を入れておくなど、寝具を温めておくのがおすすめです。
電気毛布は就寝中も使っていると汗をかいてのどが渇くなど、眠りの質を下げてしまうので布団に入ったら切ってしまったほうがよいでしょう。

お風呂に入ったり、エステなどで温かいベッドに横になったりすると、うとうとと眠くなるように、適度な温かさは自律神経をリラックスモードにするため、寝つきをよくしてくれます。
ホットミルクを飲むとよいというのも、セロトニンの原料となるアミノ酸のトリプトファンが摂取できるからという説もありますが、当然ながら摂取してすぐにそのような合成が行われるわけではなく、体を温めてリラックスさせるのが大きな目的です。ですから白湯でもかまいません。

 

 

寝間着は通気性や吸水性がいい自然素材のものを

 

寝間着は通気性がよく、動きを制限しないものを選びましょう。スウェットなどを利用している人も多いと思いますが、袖口や足首が締まっていて熱がこもりやすかったり、肩回りなどに余裕がないため寝返りを制限したりします。基本的にはパジャマを着用するのがおすすめです。
また、パジャマでも合成繊維のものは通気性や吸水性があまりよくありません。綿や絹など自然素材のものがよいでしょう。
寝ている時にはたっぷりと汗をかきます。こまめに選択をしないと吸水性が下がり、寝ているときの不快感につながるので、シーツなどの寝具同様、こまめに洗濯をしましょう。

 

 

意識していなくても音は眠りを妨げる

 

騒音も眠りをさまたげます。ある研究では、交通量の多い幹線道路沿い(20m以内)に住んでいる人は不眠リスクが有意に高いということがわかっています。長く聞き続けていると慣れてしまい意識はしていないかもしれませんが、このように睡眠に影響をおよぼしているのです。

とはいえ急に引っ越すというのも難しいところです。耳栓をするだけでもだいぶ軽減されるので試してみましょう。また、防音カーテンや防音シートを設置するなど、比較的手軽に利用できる騒音対策アイテムもあるので取り入れてみましょう。

 

 

深く呼吸をしているからこそ空気もきれいに

 

眠っている間は腹式呼吸で深く呼吸をしています。空気をきれいに保つということも意識してみましょう。

アレルギーがある人は特に空気をきれいに保つことは大切です。花粉症では明け方に症状が強くなるモーニングアタックが知られていますが、モーニングアタックが起こる理由は自律神経が切り替わる時間帯で不安定になるということのほか、舞い上がっていた花粉がその時間帯に舞い降りてくるからというのも一因だと考えられています。

こまめに掃除をするのはもちろんですが、舞い上がってしまった花粉を取り除くためにも空気清浄機を置くとよいでしょう。

 

 

いっぺんにすべてを改善するのは難しいかもしれませんが、ぜひひとつずつでも取り入れてみてください。
次回はそれでも眠れない時の対処法や、さらにぐっすり眠るためのテクニックについてご紹介いたします。